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皆さん、こんにちは。オオサカ堂です。
新型コロナウイルスによって重症化する方の多くが
高齢者であるのはよく知られています。
年を重ねていくと、体力や視力、聴力などと同様に、
免疫機能も衰えていくため、感染症にかかりやすくなり、
重症化もしやすくなってしまいます。
老化それ自体を食い止める方法はありませんが、
ふだんの生活習慣を少し変えることで、
老年期にいたっても感染症にかかることなく、
ながく健康を維持することは可能です。
さて、加齢とともに衰えていく免疫機能を
いつまでも健康に維持する方法はあるのでしょうか。
今回のオオサカ堂スタッフブログは、
免疫系の老化を防ぐにはどうすればいいのかについてです(MNT)。
■運動
ヒトは年をとると体力が衰え、あまりカラダを動かさなくなり、
カラダを動かさなくなると、いっそう体力も衰えていきます。
定期的な身体活動がカラダに良いことは、誰もが知るところ。
免疫機能の健康維持にも絶大な影響を及ぼします。
65-85歳の健康な高齢男性61名を対象にした実験では、
(1)よく運動するグループ、
(2)少し運動するグループ、
(3)ほとんど運動しないグループ の三つに分けて、
インフルエンザのワクチンに対する反応を比較しました。
結果はというと、(1)と(2)のグループは(3)に比べて、
より多くの抗体を作り出すことができました。
抗体をより多く作り出せるということは、
それだけ感染症に対して強いということを意味しています。
さらに注目すべきは、(1)のグループはワクチン接種前から、
ある種のインフルエンザ株に対して、抗体の血清濃度が高いことが判明。
運動を習慣とすることで健全な免疫機能を保持できる
という可能性が示唆されています。
■食生活
超高齢化社会といわれる日本でも、
「サルコペニア」、「フレイル」などの言葉を聞くようになりました。
加齢によって生じる、筋肉量の減少をサルコペニア、
心身の老い衰え(衰弱)をフレイルと呼びます。
一般に「筋肉」と呼ばれるのは「骨格筋」のことですが、
この骨格筋は、抗炎症および免疫機能の保持という働きをもつ、
「ミオカイン」と呼ばれるたんぱく質を生成しています。
なので筋肉量が十分あれば、ミオカインも十分なので炎症が抑えられ、
逆に筋肉量が少なくなれば、そのぶんミオカインが減り、
炎症作用が慢性化してしまいます。これにより、
筋肉量の減少がさらに加速するという悪循環になります。
もちろん免疫機能も低下します。
どうすればよいのでしょうか。食生活の見直しが大切です。
老いてフレイルな方の炎症マーカーの値は高く、
炎症の進行とフレイルには密接な関係があると考えられています。
カラダが炎に炙られてボロボロになるイメージ?でしょうか。
よってサルコペニアやフレイルのリスクを減じる食事となると、
抗炎症作用をもつ食材を選ぶことがポイント。たとえば、
ビタミンDや多価不飽和脂肪酸を含む食事やサプリなどです。
巷で流行の、いわゆる地中海式ダイエットをする人々は、
老年期にあっても、筋肉量が減らない、歩行が遅くならない、
疲労しにくいなど、「フレイル」になることがあまりないそうです。
多量のフルーツや葉野菜、オリーブオイル、
適量の魚や鶏肉、乳製品、少量の赤肉や糖分を特徴とする
地中海式ダイエットは、肥満や心疾患、2型糖尿病、がんなどの
リスクを軽減すると言われています。
日本人にとっては、和食が適切な食生活と言えるでしょう。
■体重管理
筋肉が炎症を抑えることを先述しましたが、
脂肪(組織)にはその逆の作用、炎症を進行させる作用があります。
年をとると、皮下脂肪と内臓脂肪が増えて太りやすくなりますが、
増えた脂肪は、「インフラメイジング*」を引き起こします。
*インフラメーション(炎症)とエイジング(老化)を組み合わせた造語
炎症を引き起こすタンパク質であるサイトカインIL-6は血中で、
その約30%が脂肪組織に由来しています。
なので、太りすぎ、肥満になると、増えた脂肪によって、
炎症が慢性化し、抗体を作り出す力が弱くなり、
ひいては免疫機能が低下します。
要するに、運動&食生活の見直しによって、
筋肉量を保持しつつ体重を管理することは、
全身の血中の炎症レベルを下げることになり、
免疫老化を防ぐことにつながるというわけです。
以上、本日のオオサカ堂スタッフブログは、
免疫老化を防ぐにはどうすればいいのかについてでした。
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