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皆様こんにちは!
オオサカ堂ではたくさんのおクスリを取り扱っておりますが、
どのようにしておクスリが生まれてくるかを調べてみると、
思いのほか「運」や「偶然」に左右されて生まれてくることが多いのに気づかされます♪
■バイアグラ誕生秘話
たとえば、バイアグラ。このあまりにも有名なED治療薬はそもそも、
「よ~しッ!勃起するクスリを開発するぞ!」という意図から生まれたのではありません。
もともとは狭心症の治療薬を開発する目的で、シルデナフィルという成分が研究されていました。
しかしシルデナフィルは、なんどもなんども臨床研究を行うものの、
狭心症の治療薬としては効果がなく、結局はダメだコリャ…となりました。
ところが、臨床研究が終わっても、参加した被験者(男性)らは、
与えられた試験薬であるシルデナフィルを返却しようとしませんでした…。 ん?
その理由は、「強く硬い勃起を引き起こすから」。
なんとシルデナフィルは想定外の副作用として、男性の逸物をカチカチにする作用があったのでした!
シルデナフィルはその後、狭心症治療薬としてではなく勃起不全(ED)治療薬としての道を歩み始め、
ついには「バイアグラ」という医薬品が誕生しました。
■セレンディピティとは?
バイアグラは、ED治療薬を開発しようとして生まれたのではありませんでした。
狭心症治療薬を開発しようとしていたところ、偶然、強い勃起作用のあることが分かって、
ED治療薬として誕生したのでした。
このように何かを探しているときに、探しているものとは別の何かを偶然に見つけることを、
セレンディピティ(Serendipity)と言います。
抗生物質としてよく知られるペニシリンは1928年に英国で、
アレキサンダー・フレミングによって発見されました。
ペニシリンも、抗生物質が求められて、生まれたわけではありません。
フレミングがブドウ球菌培養実験中、不手際のせいか培養皿にアオカビが発生し、
そのアオカビの周囲だけが透明になって細菌が溶けているのに気づいたことがきっかけでした。
「なんで細菌が溶けているのか…?」
この偶然から生まれた疑問をつかんで離さなかったところが、フレミングの偉いところでした。
セレンディピティとは、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取る才能とも言われます。
細菌を溶かしていたアオカビこそまさに「菌を殺す抗生物質」、つまりペニシリンだったのです。
■ピロリ菌発見もセレンディピティが関与!?
バイアグラやペニシリンに限らず、新薬創製にセレンディピティが関与するケースはとても多いようです。
心臓カテーテル、ピロリ菌、抗うつ剤、子宮がん検診法、幹細胞など。ほんとにたくさんあるのです。
それぞれのエピソードを全部ご紹介することはできませんが、ピロリ菌だけちょっと!
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息する悪いやつ。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こす恐れがあります。
ピロリ菌の発見は1983年と比較的最近の話ですが、胃の内部は強酸性で、
細菌は生息できないというのが通説だったからです。
オーストラリアの医師だったウォーレンとマーシャルは1979年、
胃炎の患者の胃の粘膜にらせん状の菌がいることを発見。
このらせん状の菌を培養しようとしましたが、なかなか上手く行きません。
34回失敗し、35回目でやっと成功しました…。
なんと!ここにもセレンディピティが!
ある日マーシャルは培養器をほったらかして、休暇をとりました。
5日間の休暇から帰って来て培養器を見ると、透明の菌の固まりが!
じつはピロリ菌は培養に4日間かかるため、これまで失敗が続いていたのでした。
そしてマーシャルはなんと、この透明の菌を自ら飲み込むという人体実験を行うのです。
ここがマーシャルの偉かったところです。ふとした偶然が生んだ事態を、しっかりつかみ取りました。
10日後、自身の胃の組織を採取して調べてみると、急性胃炎が生じており、
そこにはあのらせん状の菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)が存在していたのです。
私たちの健康をサポートする医薬品は、
まるで神の思し召し?のような幸運な偶然から生まれてくることがしばしばです。
しかしそれは、一生懸命に力を尽くしている過程にあったからこそ出会える「特別な偶然」であり、
決して棚からボタ餅的なイージーなものではありません。
オオサカ堂は、たくさんの商品を取り扱わせていただいております。
お客様と商品の出会いにも、セレンディピティが降りてくることを心よりお祈り申し上げる次第です。
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